満月は、占星術の観点からは『振り返りと調整のタイミング』と言われ、満月という名の通り物事が『満ちる』、つまり一定のラインまで到達する時期なのですが、ここでの物事は決して『思い通り、うまくいった』という満ち方をすることばかりではありません。怠惰や逃げ、間違った選択などの積み重ねもまた『満ちる』ので、残念な結果として現れることもありうるのです。上手くいって、さらに高みを目指すのも、自分を戒めるのも、どちらにせよ『振り返りと調整のタイミング』が満月なのです。

また、月食は『特別な満月』です。満月の意味合いがさらに高まり、満ち方も、調整の度合いも大きくなります。時には、これまでの『当たり前』に大きな変化が訪れることもあるかもしれません。月食前後に生活やマインドが大きく変化した人は、自分の中で何が蓄積して『満ちる』に至ったのかを振り返ると、順応もスムーズにできるのではないでしょうか。

さらに今回の月食は、『さそり座』で起こります。さそり座で強調されるのは、物事に深くかかわること。ただ向き合うだけでなく、強くコミットして一つになるような、そのような働き掛けです。そうすることで、『無意識のうちに向き合うことを避けてきた事』が浮かび上がってくるのかもしれません。

薄々感じていたけど目を背けていたこと、やらなくてはいけないと思っていたけれど、先延ばしにしていたこと。返事をしなければと思いつつ避けていたこと。人の常として、物事は先延ばしすれば更に憂鬱さが増していきます。もとより、避けていたことにストレスを感じていたなら、なおさらです。ただし、向き合ったからといって乗り越えられない場合もあります。その時は、精神的な成長を遂げるための『学び』を、この月食で自覚するタイミングと捉えるといいでしょう。

『無意識のうちに向き合うことを避けてきたものは何か』、もしかしてインパクトのある出来事を持って、『向け合わされる』かもしれません。やるか、やらないか。YESかNOか。コミットするか、永遠にかかわらないでいるか。そうしたことを選択させられるのですが、はっきりすることで、これからの日々は晴れやかなものになるはずです。恐ることなく、前に進んで行きましょう。